人生において強い絶望は稀にしか起きない。もちろん普段から軽い浮き沈みはしょっちゅうだ。でも心底絶望するなんてことはなかなかないものだ。それはこの世の春が何度も来ないのと同様なくはいに稀なことだ。
そう。まさに去年のちょうど今頃、深い絶望が私を襲った。
痩せない。
何年も渡り幾つも試したダイエットが成功しなかったのは、リバウンドしたのは、全て私の意志の弱さが原因だった。
誰のせいでもない。ましてやそれらのダイエット法を創出した方達のせいでもない。
こんなに頑張ったのに痩せることが出来なかった。だからダイエットなんて無理、無駄なんだ。それが分かった。それにもうダイエットはへとへとに疲れた。
ダイエット法はやり尽くした。もう全部辞めよう。そしてダイエットのない世界に行こう。実はやり切った感もあった。だから爽やかな清々しさもあった。だから悔いは無かった。
その後、何の制限もなく、好きなだけ食べることにした。運動ももちろん辞めた。
すると、いくつか思わぬ発見をした。
ひとつは、好きなだけ食べることにすると、意外と食べれない。飽きるのだ。
何か制限があった時の方が食べたい欲望が増大するのかもしれない。
そしてもう一つは、意外なほど体重が増えにくい。もちろん増えなくはない。でも無限に増加することはない。しばらくすると一定のレベルに落ち着いたのだ。
さらに極め付けは、ダイエットはやめていたのにもかかわらず、不自由さを感じるようになっていった。いくら食べてもいいというのは自由であると言ってもいいはずなのに。もしかしたらそれまでいつも何らかの制限があったから、それに慣れてしまっていたからなのかもしれない。ともかく制限をかける自由を、渇望し始めていた。せっかく自由を得ていたのにおかしな話だ。
そのような状態で、年始つまり今年の1月に衝撃的なダイエット法に出会うことになる。
そう。一年前のちょうど今頃から、絶望を味わいながら、成功ダイエットを始める準備が進んでいたのだった。
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