【要約】トップダウンとボトムアップはタスク管理の方向性であり、ほとんどのタスク管理術はトップダウン型である。トップダウンは、答えが明確な課題に有効だが、不確実なタスクには限界がある。一方、Taskchute Cloud2はボトムアップ方式を採用し、タスクを積み上げていくアプローチを提供する。このアプローチは、予測不能な展開に対応しやすく、先送り癖の解消に役立つ。実際に、このツールが私の先送り癖を完全に解消してくれた。
トップダウン方式が有効な場面
トップダウンとボトムアップは、タスク管理術の方向性である。ほとんどのタスク管理術はトップダウン型であり、予め答えが用意されている課題を解決する際に効果的である。例えば、夏休みの宿題の一つである読書感想文。提出日は始業日当日なのか、対象図書は自由か指定か、提出条件は文字数、手書きかデータか、そして評価基準は何か、といった具体的な要件に従う必要がある。このように、タスクが明確である場合、トップダウン方式によって計画を立て、実行するのが合理的である。
トップダウン方式の限界
しかし、答えが存在しない課題に対してトップダウン方式をそのまま適用するのはリスクが伴う。タスク管理におけるトップダウンは、すべてのタスクを事前に詳細に計画し、その計画に従って進めることを前提としている。しかし、例えば読書感想文や自由研究が単に提出することが目的なのか、夏休み終了直後の提出が最適なのかもわからない場合には、トップダウン方式が必ずしも適切ではないことが分かる。こうした不確実なタスクでは、実際に進捗していくと予想外の展開に対応しがたいという問題が浮き彫りになる。
研究生活での経験
私が研究生活を送っていた時、当然のようにトップダウン方式でタスク管理を行っていた。ガントチャートを作成し、分厚いマニュアルを準備し、ファイルメーカーでデータベースを構築して配布物を作成した。予定を網羅的に作り尽くし、計画通りに進めることを重視していた。
しかし、データを集計した後に必ず「あの内容を加えるべきだった」「あの項目も測定すべきだった」といった後悔が生まれた。トップダウンの計画時には、漏れがないように複数の研究者の目でチェックしていたにもかかわらずである。これは、トップダウン方式のタスク管理術が予測可能な範囲でしか効果を発揮しないという限界を示している。
限界を知りつつ進む
とはいえ、そうした失敗を割り切り、次の研究にその経験を活かしていくしかない。限られたデータから研究成果を生み出すというのは、まさにその繰り返しである。それでもなお、今思い返すと、客観的に見てそのタスク管理術が失敗だったと言える。
学校での課題提出の管理法は、予測不可能な状況を完全に把握できるものではない。データを得たからこそ新しい発想が生まれ、収集すべき別の対象があることに気付くのである。しかし、それでもトップダウン方式でしか研究を進められないことも事実である。
トップダウン式の計画が持つ限界を理解しつつも、タスク管理術としては依然として有用である。もしかすると、このトップダウン方式がすべての研究手法に適用されることで、いずれ大きなブレイクスルーが生まれるのかもしれない。
Taskchute Cloud2とボトムアップの強み
タスク管理においてボトムアップ式と言えるアプローチは限られており、その代表例がTaskchute Cloud2である。Taskchute Cloud2がローンチされた今、制作者のjMatsuzaki氏のブログを読んだ。
彼はトップダウン一辺倒の予定管理がいかに欠陥を孕んでいるかを、いつもの名調子で説明している。
私が知っている範囲で思い浮かぶのは、『7つの習慣』やGTDといったタスク管理術である。これらの方法論では、まずすべてを出し切ることが大切だとされている。それによって頭がすっきりするという理屈である。しかし、すっきりしないのは、すべてを出し切っていないからだと書かれている。正直に言えば、私は面倒に感じていたため、出したつもりで済ませていたことが多い。
jMatsuzaki氏は、本来タスクをこなすためにはボトムアップが有効だと主張している。Taskchute Cloud2は、まさにそのボトムアップアプローチを体現したツールであり、タスクを次々と下から積み上げていくことを可能にするものである。
先送りをゼロに
表現にまだ改善の余地はあるかもしれないが、少なくともこのアプリが私の先送り癖を完璧にゼロにしてくれたことは確かである。
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