日は仕事の終わりに色々と重なり、帰宅時間がいつもより大幅に遅くなってしまった。
ふと空いた時間に、今は亡き先達(誰とは言えない)の杖道の動きを、とりとめもなく眺めていた。
「小指と薬指で杖を持つ。それが肩甲骨の動きとの連動を生む。そして、その肩甲骨をより自在に動かすためには、姿勢をまっすぐに保つべきである」
私は常々、そのような理解のもとでビデオを観ている。
しかし、改めて観察すると、どうも先達の背中は丸まっているように見えるのだ。それでいて、動きは実に滑らかである。「よく動いているのは、実は腕の力なのだろうか」とも思わされた。道着に隠れているため、肩甲骨の詳細な動きまでは正直判然としない。
だが、あの丸まった背中でありながら、これほどまでに見事に杖を操れるということ。そして、自分がそうした視点で先達の動きを捉えられるようになったこと。これは一つの進歩といえるのかもしれない。
だからといって、私が今すぐ背中を丸めるつもりはない。加齢に伴い生理的に丸くなるのは致し方ないが、それまでは背筋を正し、自由かつ緩やかに体を動かしていこうと思う。


コメント