毎週火曜の夜、私は小さな児童センターの体育館へ通っている。そこで、80歳代の師が独特の技を教えてくれる。
令和5年7月最後の火曜の夜。東北の空の下、夜の闇に包まれつつも、室内は蒸し暑さによって気温が33度にも上昇していた。
それでも汗がにじみ出る中、先生の声が響いてくる。私はその指導に耳を傾けつつ、体を動かしている。彼の教えは絶え間なく続いている。
ああまたこの季節がきた。
毎年8月に入ると、暑さのために火曜日の稽古は休止される。
残念なことに私は忘れっぽい。その中止、中断によって稽古への意欲が薄れてしまう。すると自主的な稽古もほとんどしなくなり、ついには型までが頭から抜け落ちる。型を忘れることは、まるで稽古量の低下と同じだ。
型を忘れていることは、即稽古不足であるので、正直とても恥ずかしい。できれば他人に知られたくない。それゆえ、9月以降の稽古再開後、参加することが難しくなっていく。
そして、とうとう稽古は一時中断せざるを得なくなる。しかしその後、翌年の春頃、勇気を振り絞って再び稽古の場に足を運ぶ。恥じらいを覚えつつも、先生の教えに耳を傾けるのだ。
こうしてまた、これまでの繰り返しの始まりの夏が訪れたのだった。
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