大陽旦湯を経方医学で読み解いて得たこと。
この方剤で何を得るのか。
もしかしたら現代漢方ならば酸棗仁を加えることで対策出来たかもしれない。しかし当時の漢方はこれがない(読み終えていないので後で酸棗仁の配薬の記述があったら訂正します)。
条文の症状において膜や膈、収斂疏泄が不利でも疎胆しなくてはならないことがある。当然柴胡を投入したらばーっと胃気が外達して飛んでしまう。
そこで桂皮を使いそっと下膈から疎胆する。それとこれまでのテクニックでは同時に収斂剤五味子などを入れたい。しかしそれをすると、次は胃気を芍薬と増量した津液成分とともに下焦に供給したい。しかし収斂剤はこれを阻む可能性がある。そこで、人参を加えて守胃することで収斂の代わりとしている。
つまり守胃は甘草、大棗、人参とすることで肝気虚に対して一定収斂作用があり、かつ下焦に対する胃気供給を妨げない。この方剤で人参を加えた理由はそこにあるのかと愚考した。
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