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漢方医学

漢方医学

漢方薬のエキス剤と、見立ての難しさ

口渇が強い患者が内科を受診した。 尿は十分に排泄されており(患者自身は「ひっきりなし」と表現していたが)、そこから五苓散の適応とはならなかった。時間が限られている内科外来での対応であったため、まずは白虎加人参湯エキス剤を処方し、経過を観察し...
漢方医学

病名漢方は安易な処方ではない

漢方治療において、「病名だけで薬を選ぶのは安易だ」「体質(証)を無視した処方は本質から外れる」という批判がある。西洋医学の病名に応じて画一的に漢方薬を処方する、いわゆる「病名漢方」への警鐘である。しかし、このアプローチは本当に意味を欠くもの...
刺絡療法

【漢方】2025年岩手県部会当日

県部会は初参加だ。久しぶりの岩手医大。元循環器センター。礼儀正しい警備員さんに迎えられ、案内された。私も講演をさせて頂いた。一部刺絡の実技もした。写真は薬用植物についてのご講演(※私ではありません)。これは新鮮で楽しかった。いつの間にか、岩...
漢方医学

【漢方】岩手県部会前日

今夜は日本日本東洋医学会岩手県部会前日、講演者を囲む会だ。ニューウィング1Fの対い鶴にて。では、ありがたく囲まれて参ります。
漢方医学

【漢方】「今も続けています」と胸を張って言うために

現在、漢方の講習会で使うスライドを作成している。テーマは「漢方の学び方」。私自身が長年実践し、このブログでも「絶対的な勉強法」としてお伝えしてきた方法に、再び光を当てる機会となった。 その方法とは、「テーマを決めて『傷寒論』を通読する」こと...
漢方医学

「秋バテ」の正体『秋燥』を見逃すな

【漢方医学】秋の不調「秋燥」の病態と対策うだるような暑さが少し和らぎ、夏の終わりである晩夏を迎えた。これからすぐに到来する本格的な秋は、過ごしやすい季節である一方、体が気候の変化に対応できず、不調を感じやすい時期でもある。秋本番を前に、以下...
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AIが繋いだ漢方治験とオーガズム後疾患症候群

【序章】アトピー性皮膚炎の奥に隠されていた、本当の悩み漢方医として臨床経験を積んでいた20年前、一人の青年との出会いが、私の漢方人生における大きな「宿題」の始まりとなった。最初、彼は難治の「アトピー性皮膚炎」の治療を希望して来院した。まずは...
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【健忘録】エキス剤では扱いにくい「藿香」を再考する

うだるような暑さが一息つき、東北では最近涼しくなってきた。これからまた暑くなってくるだろうからその準備のようなものだ。そこでエキス剤ではなかなか処方できない藿香について見直しておく。 日本の夏における「夏バテ」や「暑さによる体調不良」は、単...
漢方医学

漢方辞めろってよ

先日、皮膚疾患の治療で担当している患者から、次のような相談を受けた。「先生、別の病院で受けた健診で肝機能の数値が悪いと言われました。『飲んでいる漢方が原因だからすぐにやめなさい』と言われたのですが、どうしたらいいでしょうか…?」その際、詳し...
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清暑益気湯はなぜ効かないのか

導入:この夏、いつもの処方に感じた違和感夏本番を迎え、日々の診療で「夏バテでしんどい」「暑さでぐったりして、やる気が起きない」といった訴えに接する機会が急に増える季節である。そんな時、真っ先に浮かぶ処方の一つが「清暑益気湯(せいしょえっきと...