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東洋医学

漢方医学

耳鳴治療における脈診と水滞の再考

これまでの私の耳鳴治療は、師匠の治験ノートにあるような「寸脈が浮いている」という所見に支えられていた。「寸脈が浮く」ということは、胃気や腎気が頭部へ突き上げている(上昇や上昇)証左である。このロジックに従い治療してきた。 しかし最近、臨床の...
漢方医学

九味檳榔湯類似方剤鑑別

前回のブログ記事「九味檳榔湯は『過去の遺物』か?」において、私はこの処方が現代人の「気滞水毒」にこそ有用であることを再認識した 。しかし、強力な武器であればあるほど、その照準(適応証)は正確でありたい。本稿では、日常診療において九味檳榔湯と...
漢方医学

九味檳榔湯は「過去の遺物」か?現代の「気滞水毒」にこそ光を当てる

かつて江戸から明治にかけて、日本国民を恐怖に陥れた国民病があった。「脚気(かっけ)」である。ビタミンB1欠乏によるこの疾患に対し、当時多くの漢方家が治療に挑んだが、その中で「脚気の特効薬」として名を馳せたのが九味檳榔湯(くみびんろうとう)で...
漢方医学

「血水同治」の二方剤加減の覚え書き

婦人科領域のみならず「血」と「水」の病態において頻用される二大処方、桂枝茯苓丸と当帰芍薬散について掘り下げてみたい。現代医学的に「駆瘀血剤」というカテゴリーで一括りにされがちな両処方だが、原典である『金匱要略』に立ち返れば、全く異なる「方意...
漢方医学

「内臓がおかしくなる」—今年最後の漢方外来に残された謎と予感

今年最後の漢方外来に、何とも不思議な症例が舞い込んだ。 患者は20歳代の女性。主訴は高血圧なのだが、その背景にある訴えが奇妙である。彼女曰く、「降圧薬を飲むと内臓がおかしくなる」のだという。詳しく問診を行えば、過去にARBやCa拮抗薬といっ...
刺絡療法

肝気虚・胆気虚の治療方針:柴胡を使わない肝の治療と安神の胆

前回の記事では肝胆気虚の鑑別について触れたが、今回はその実践編として具体的な治療法剤と配薬の方針について整理する。なお、本稿は江部洋一郎氏、篠原明徳氏、張錫純の病機の解釈と配薬を参考に作成した。日常診療において「肝の病証」といえば、まず柴胡...
漢方医学

胆気虚と肝気虚の鑑別:精神症状と関前短脈の臨床的意義

日々の臨床において、肝胆の病証鑑別に悩まれる先生方も多いことだろう。特に「気虚」の局面において、胆気虚と肝気虚は混同されやすいが、その治療指針を明確にするためには厳密な鑑別が不可欠である。今回は、篠原明徳氏の著書『胆気虚の理法方薬と関前短脈...
漢方医学

鎮痛薬を飲んでも頭痛が治らない理由 〜「胃寒」と鎮痛薬乱用頭痛〜

前回に引き続き、考え方をまとめて覚え書きにする。「頭が痛いから鎮痛薬を飲む。しかし、またすぐに痛くなる…」このような悪循環に陥っている場合、それは現代医学でいう「薬剤の使用過多による頭痛(MOH)」である可能性がある。実は、この「鎮痛薬が効...
漢方医学

鎮痛薬が招く「胃寒」の頭痛—私の慢心を打ち砕いた一症例

近畿で漢方を学び始めた当時、私は漢方治療にすべてを捧げていた。漢方こそが医学のすべて。半端な西洋医学は、師匠に言われない限り使わない。特に性急な解熱鎮痛薬には、7年間ほとんど手を出さなかった。それでも使う時は、どうしても使わなければならない...
漢方医学

「さもありなん」の症例報告

先日、痺れだ痹症だと色々と書いた。 そういえば他に、黄耆桂枝五物湯の方意を使った症例はないものかと、手持ちの資料を探していた。すると、『漢方の臨床』2024年5月号(p.71)に目が止まった。「足のむずむず症候群」、恐らくレストレスレッグス...