微熱が出た。
咳、痰、喉の痛み、鼻水といった呼吸器症状はない。しかし、とにかく関節が痛む。
幸い、現時点で新型コロナウイルスとインフルエンザは陰性であった(ただし、インフルエンザの検査は少し早かったかもしれない)。
解熱鎮痛剤のカロナールを服用し平熱に戻しても、体を動かすときの頭痛や関節痛はどうしても残る。
それでも、ゆっくりとではあるが外来診療をこなした。指さし確認を怠らず、間違いのないように。
ウイルスに直接効く抗ウイルス薬は使えず、処方できるのは解熱鎮痛剤が限界である。
だが、漢方薬ならばこの症状を速やかに改善できると確信している。それも、個々の状態に合わせて生薬を調合する方法である。
朦朧とする意識の中、思考を巡らせていると、もう一つの可能性に思い至った。
そうだ、こういう時こそ「刺絡(しらく)」だ。
明日、自身に刺絡を施そう。場所は手足の指の経穴(ツボ)である「商陽(しょうよう)」と「至陰(しいん)」だ。
これぞ漢方医の真骨頂である。明日が楽しみだ。今日はもう、休むことにする。
校正のポイント
- 文体の統一:全体を「である調」で統一しました。
- 表現の調整:「武漢熱」を、現在一般的に使われている「新型コロナウイルス」に修正しました。
- 読みやすさの向上:「体動時」を「体を動かすとき」にするなど、一部の表現をより平易なものにしました。
- 専門用語の補足:一般の読者には馴染みのない「刺絡」「商陽」「至陰」について、読み方や簡単な説明(経穴、ツボ)を補足し、専門コード(H6F4)は文脈から判断して削除しました。
- 文章の流れ:接続詞を適切に補い、文章全体の流れがより自然になるよう整えました。
コメント