初診の患者さんが受診する前、主訴をつまり最も辛い症状、あるいは直して欲し症状をスタッフが予め聞き取り、基本票(クリアファイルに入った紙カルテの表面のようなもの。)に書き入れる。それを見て医師はだいたいの方針を立てるのだ。
ある日、深刻そうな顔をしたスタッフが私に近づいて来て「◯×さん、主訴は不妊だそうです」と眉間に皺を寄せて眉毛をややハの字にしておっしゃった。
その患者さん、◯×さんは若くて美しい方であった。
そうか、不妊で悩まれているのか。
そこで、私は◯×さんに「もう、治療は長いんですか?」
◯×さんはすこし考えから「はい。頭痛がひどくて、脳神経外科を受診して、MRIをとってもらいなんともありませんでした」と答えた。
違和感を感じた私は、直に聞くことにした。
おぐりん家「今日おいでになったのは、不妊のた…。」
◯×「不眠です!」
なんか噛み合わないわけだ。
場が必要以上に盛り上がったことは言うまでもない。
ついでに言うと大気下陥証であった。
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