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輔行訣各バージョン覚え書きその5

漢方医学
前回に引き続き、11個目の輔行訣のバージョンの日本語意訳を覚え書きとしてここに記す。全12バージョンある。
『張大昌が注釈した『輔行訣』劉徳興所蔵の写本(1983年3月)』の解説この写本の表紙には「『輔行訣五臓用薬法要』述略、原著:隠居 陶弘景、張唯静 釈注」とあります。裏表紙には「1983年3月に転写」と記されています。

『輔行訣五臓用薬法要』述略は、張大昌氏が注釈したものです。張大昌氏が健在だった頃、弟子たちは氏に『輔行訣』への注釈を繰り返し求めました。それに応じ、張大昌氏は1979年に注釈を完成させ、劉徳興氏に手渡し、保管・学習を依頼しました。

1983年2月、劉徳興氏が北京中医学院へ進学する際、威県人民病院の石金鋳書記がこの注釈本を借り受けました。しかしその後、本は紛失してしまい、中医科の高尚忠医師が転写した写本だけが残されました。高医師はこの写本を劉徳興氏に渡し、大切に保管されることになりました。

この写本は、およそ19.0cm×13.3cmの大きさで、河北省威県人民病院の便箋30枚を横に二つ折りにして綴じたものです。青いボールペンで丁寧に縦書きされています。表紙を含めて全60ページあり、「河北省威県人民病院便箋」のロゴがあるページは9行、ロゴがないページは11行で、各行の文字数は25〜35字ほどです。

この写本では、「外感天行病方(疫病の処方)」の章で、大小白虎湯の2つの処方が欠落しています。その後の注釈には、「これらの処方には大小白虎湯が欠けているが、これは書き写しの間違いではない。ここに補足する」といった旨が記されており、補足された処方は他の写本とほぼ同じです。

『輔行訣』の本文注釈の後には、「『法要』薬釈」という解説が追加されています。最終ページには「1983年3月に転写」と日付が記されています。さらにその後、別の筆跡で大小補瀉肝の4つの処方の薬物組成が書き加えられていますが、誰が加筆したかは不明です。

全体的に、この写本は文字が丁寧で読みやすいですが、ごく一部に書き写しの間違いが見られます。

コメント:読みやすいが、間違いも多く注釈も伊尹とは別である可能性が極めて高いといえる。参考程度ですね。

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