西岡恒夫氏の解説ビデオで印象深いところがあった。杖術の基本は最初は逃げること。次は相打ち。次は、残念ながら良く聴き取れなかった。恐らく最終的には当然制することになるとは思っている。
さらに別の、やはり西岡恒夫氏のビデオでは以前話した通り着杖一本で良いと、彼の師匠が語っていたとも言う。
着杖は杖道で習う一番最初の型である。確かに誘いあり逃げあり相打ち的な入り込みありである。
勿論、太刀側の出方次第で着杖以外の残りの11本の型を繰り出す。
型がただの手順と解釈していない証左である。
そう言えば道場の最高師範が面白いことをおっしゃっていた。高段者の昇段試験で、まず着杖をさせるのだそうだ。
杖道の昇段試験は12本の型が対象だ。当然段が上がるに連れ対象となる型もより進んだ型になる。
着杖はを初段を受ける時に課題となるの型。その後の昇段には直接無関係だ。
それなのにあえて高段者の昇段試験前にやらせてみる。課題の型ではないのにだ。
それは何故か。
着杖をすればどの位深く杖道を稽古したかが分かるからだという。
ちゃんとできなければ、本番の昇段試験を受けさせない、断るのだという。
なんと意地悪なと思った。
実際意地悪なのかも知れない。
しかしもしこれが、歴代の師範が考えていた着杖一本で良いという方向性を理解するならば、自然とこの型をなぞるときその気配がにじみ出ることになるだろう。
もしかしたらそれを判断材料にしているのだろうか。
まあ私はその試練を受けるのはずっと先か、あるいはないかである。
実際今の私なんか着杖は、むしろ相手の太刀がどう打ってくるか怖くて、よけいガチガチになっている。何にも知らずにすらすらとやっていた時よりへたっぴになっているかもしれない。
しかし着杖で実戦を、実際には使わないが、密かに組み立てて行きたい。
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