着杖の後退動作を見直す。手順はこうだ。
相手が八相の構えから正面へ構え直し、切り込んでくる。
こちらは杖を立てたまま動かず、相手の気を受け止める。
相手の剣が最高点に達し、振り下ろしの加速が始まった瞬間、左足を左斜め後方へ始動させる。動作が完了したときには「右真半身」となり、右手は腰、左手は手の甲を外(足側)にして杖を握っている。足はまず右足が動き左足が引くように追いつく。
教本はもとより、古流を含む動画や書籍から情報を収集した。型の手順を逸脱しない範囲で、その要諦を究極的に集約すると以下の通りである。
* 蹴らない動き
* 膝を抜いての落下
* その間に後方へ移動し、右真半身を作る
もちろん、これら以外の口伝も存在する。真意も判断できない。しかし現在の私の段階では、この3つのコツから目を離すことができない。
抜刀の型への執着
「右真半身」という体勢。
どこかで聞き、あるいは実践した記憶のある動作だ。
それは、かつて学んだ古武術の身体操作に通じている。
当時、私はある古武術を習っていた。そして、そこにある特定の「抜刀の型」に対し、異常なまでの執着を持って打ち込んでいた。
当初は座した状態での動作であったが、次第に立位での動きを模索するようになった。木刀で見よう見まねを繰り返し、模擬刀では座した状態でのみ稽古した。立位での動作は相当に難度が高い。
話を戻そう。
その抜刀の型は「左真半身」であった。
本来、剣の理合からすれば左真半身の方が自然で扱いやすいはずだ。なぜ着杖ではあえて右側を選択したのか。その真意は未だ判然としない。
しかし、かつて執着し、身体に刻み込んだ抜刀の動きをトレースし、その感覚を対側である「右真半身」へと移してしていく。
今、その感覚を少しずつ磨きながら、精進を続けている。


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