温胆湯はそもそも胆気不足のが引き起こす症状に対する方剤である。
ならば、酸棗仁がはいっているのか?
違う。
配薬は
竹筎、半夏、枳実、橘皮、茯苓、大棗、生姜、甘草
であり、酸棗仁は入っていない。
江部洋一郎氏の胆気不足解説に一般的な症状として不安感、不眠、が主なものであり、口乾、口苦、眩暈、動悸、胃のもたれ、腹脹など、とある。しかしその全ての方剤例(中正湯、茯苓湯、千里流水湯)と創薬した陽胆中正湯に酸棗仁、茯苓が入っている。(「胆気不足」の考察と症例THE KAMPO,Vol.9No.3,May1991)
なら、温胆湯とはどう違うのか。
一般的な症状としては、胸苦、動悸、口苦、悪心、嘔吐、吃逆、不眠、多夢、多痰、眩暈、動悸、易驚、癲癇という。癲癇まで治せるかというと分からない。結局、胃脾、心、胸、肺症状ということになる。
おかしい。江部洋一郎氏が挙げたら症状をほぼ網羅している。酸棗仁がなくても、胆気不足は治せるのではないか。酸棗仁が超逆ザヤになっているご時世、温胆湯加減で対応しても良いのかも知れない。
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