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漢方医学

温病学における「逆伝心包」

温病学において、病態が急速に悪化するプロセスを指す「逆伝(ぎゃくでん)」。特に、邪気が意識の中枢である心包にまで一気に侵入する「逆伝心包」は、命に関わる極めて凶険な状態である。本稿では、あくまで『温病縦横』などの視点に基づき、逆伝の意味、原...
漢方医学

温熱邪気の伝変:肺を衛分と気分に分かつもの

温熱邪気の伝変:肺を衛分と気分に分かつもの『温病縦横』の基準に従い、「肺の衛分(風熱犯衛・風熱犯肺)」に留まっているか、それとも「肺の気分(温熱壅肺など)」にまで深く進入したかは、症状で判断することになる。分類の決定的な基準となるのは、「悪...
漢方医学

その腹痛寒さにつき

とても寒くなってきた。冬期の急激な冷え込みに伴い、激しい腹痛や機能不全を呈する「寒疝(かんせん)」の症例に気を配る必要がある。 唐代の医学全書『外台秘要方』には、寒疝が「生命に関わる強烈な冷えの凝集」として定義され、陽気を回復させることの重...
漢方医学

弦脈の強弱で鑑別可能か

弦脈は当たり前に現れるので厄介である。例えば肝陰虚と腎陰虚。この二つの鑑別をどうすれば良いか。特に、脈状における鑑別ポイントはあるのか。教科書的な鑑別としては、本来「腎陰虚に弦脈(げんみゃく)はない」とされる。しかし、実際は脈証だけで決める...
杖道

限られた時間で「究極」へ:本質を追求するということ

先日、杖道の稽古で初めて拝顔する方が稽古に来られた。私よりも高段者である。しかし、どうも型がおぼつかないようであった。所々間違え、不自然な間が生じている。それどころか、間合いも曖昧であった。おそらく久しぶりの稽古なのだろうと思い、ゆっくりと...
漢方医学

「心包代受」の語句に揺れる『輔行訣』探求のモチベーション

『輔行訣蔵腑用薬法要』(以下、『輔行訣』)の精読を深めるうち、心包に関する記述で一つの大きな疑問に直面し、探求へのモチベーションが揺らいでいた。それは、心包の病態を解説する条文に付随する、以下の引用である。「経云: 諸邪在心者, 皆心胞代受...
漢方医学

范志良版『輔行訣』心臓病病条文と日本語意訳

本稿では、范志良版『輔行訣』における心臓病証に関する条文を引用し、その現代日本語訳を提示する。辨心臓病証文并方心虚则悲不已,实则笑不休。心病者,心胸内痛,胁下支满,膺背肩胛间痛,两臂内痛,虚则胸腹胁下与腰相引而痛。取其经手少阴、太阳及舌下血...
漢方医学

輔行訣各バージョン覚え書きその10

前回に引き続き、16個目の輔行訣のバージョンの日本語意訳を覚え書きとしてここに記す。時期が定かではないその他的な版である。時期が定かなバージョンと合わせて21個ある。『輔行訣(ほこうけつ)』范志良 第二次写本(1972年以前?)  この写本...
漢方医学

輔行訣各バージョン覚え書きその3

前回に続き、7つ目から9つ目の輔行訣のバージョンの日本語意訳を覚え書きとしてここに記す。全12バージョンある。七、《辅行诀》丁勤喜抄本(1979年2月6日) この資料のサイズは縦約26.5cm、横約19.2cmです。ペンで横書きされており、...
漢方医学

【輔行訣2】大小瀉肝湯と新たな謎

輔行訣(范志良抄本)の肝病の前文の再掲と小大瀉肝湯条文を掲載する。肝病について辨肝脏病证文并方肝病者,必两胁下痛,痛引少腹。虚则目䀮䀮所见,耳有所闻,心澹澹然如人将捕之。气逆则耳聋,颊肿。治之取厥阴、少阳血者。邪在肝,则两胁中痛,中寒,恶血...