(内容をぼかしてアップします)
10歳未満の方。
足に力が入らない、倦怠感というのが主訴。
勿論、車椅子で外来にくるわけではない。てくてく歩いている。お父さんに反抗的な物言いをする。
当然西洋医学的なあらゆるアプローチは終わっている。最終的に前医では補中益気湯。効かないと言う。
私は以前、下半身に力が入らないという方に桂枝加芍薬湯加減が2例奏効した。
よって、この方には桂枝加芍薬湯加黄耆、山薬(膠飴の代わり。by張錫純)、つまり黄耆建中湯加減を処方した。ところがぜーんぜん効かないのだ。
遠方から家族総出で通院してくれるから効いて欲しいのだけど何故か全く効かない。
思いあまって前回昇陥湯加減を処方した。しかし、実際には効かない可能性が高い。
というのも脈証が沈弦であり、脈に根があり、弱くはないのだ。
詐病の可能性も勿論ある。しかしどうしても治して上げたい。
次は尊栄人と考えて、黄耆桂枝五物湯を考えている。
結局この方自宅でだらだら過ごしているのだ。身体は肥えている。
血痺虚労編の条文だ。
問曰:血痹病従何得之? 師曰:夫尊栄人骨弱肌膚盛,重困疲労汗出,臥不時動揺,加被微風,遂得之。但以脈自微渋,在寸口、関上小緊,宜針引陽気,令脈和緊去則愈。
血痹陰陽倶微,寸口関上微,尺中小緊,外証身体不仁,如風痹状,黄耆桂枝五物湯主之。
これが外来で思い出せなかったのは、痛い。緊脈ではなく弦である。汗も出やすい。これでいけそうだ。
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