正眼攻略の鍵は「引き算」にあった
正眼の間合い―これがどうにもしっくりこず、長らくの課題であった。
手順は理解しているつもりでも、相手との距離が遠かったり近かったりと安定しない。「正眼とはこういうものだ」と割り切るには、あまりに居心地が悪かったのだ。
今日の稽古で、愛先生にその迷いを打ち明けてみた。
「ゆっくり動いてみましょう」
太刀と杖、互いの呼吸を確かめるように動きをトレースしていく。すると、ある瞬間、動きの中に「数値」が見えた。
ポイントは、杖先を相手の顔につけて目くらましをし、そこからスッと下ろして本手の構えになる瞬間だ。
この時、右手は「常の構え(中央)」から「本手の構え(端から4分の1)」へと滑る。
右手は手元に引かれるが、体は前に出る。この相反する動きの中に答えがあった。
杖の長さは128cm。
中央(64cm)から、4分の1(32cm)の場所へ握り変える。
その差、わずか32cm。
そう、私が踏み込むべき歩幅は、この「32cm」によって規定されていたのだ。これ以上踏み込めば近すぎるし、足りなければ届かない。杖の傾きを考慮すればもう少し短くはなるが、目安としては十分すぎる発見だ。
感覚頼りだった間合いが、明確な数値として腑に落ちた瞬間だった。
「ここまでくればこっちのもの」
そう確信を持って技に入れるようになったのは、大きな進歩だ。今日もまた一つ、杖道の深奥に触れた気がする。


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