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杖道を深く理解するための古流

杖道

先日のI先生の言葉を、今、反芻している。

先生が六段に合格した際、講評で高段者の先生からこう言われたという。

「杖道の教本には、書かれていないことが多々ある。それを古流を通じて学べ」

そう語る先生の口調には、どこか迷いが滲んでいた。その眼差しは遠くを見つめ、やがて私の答えを待つようにこちらへ向けられた。

その瞬間、私は反射的に自らの想いを吐露してしまった。明確な拒絶を。

「教本の行間に未記載の事項があるのは理解できます。しかし、古流を学べというのは到底納得がいきません。杖道のことは杖道の体系内で教授するか、教本に明記すべきです」

勢いは止まらなかった。

「私は古流を封印して表に出さないようにしています。先生だって……」

気付けば先生は困惑の笑みを浮かべ、それ以上語ることはなかった。だが、こればかりは譲歩できないのだ。

今、改めて思う。

杖道の古流、即ち神道夢想流杖術や、後に併伝された他流派の技術へ回帰せよという教え。それは裏を返せば、杖道の技術単体では上達が見込めないという是認ではないか。

杖道を修練し、その技術が向上し、杖道の観点で評価され昇段していく。この自明の理が、七段以上の高位者によって否定される現実は、控えめに言っても絶望でしかない。

しかし、そうであるならば、それは修行者が自由であって良いという証左なのかもしれないい。

 

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