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漢方医学

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輔行訣における心痛を治す二大処方:胸気を失った心包絡と病理の部位

『范志良版輔行訣』に記載される「小補心湯」と「大補心湯」は、いずれも心臓の激しい病態である胸痹(きょうひ)を治療対象である。経方医学の見地では、両処方の構成薬物を比較することで、病理が集中する部位と邪気の性質(痰か飲か)に明確な違いが認めら...
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歯ブラシマニアを襲った激痛!立効散エキスでまさかの「歯茎の腫れ」が引いた話

お疲れ様です!自他ともに認める歯ブラシマニア、そして「意識が高い」と歯科医におだてられ、天狗になりかけた男がお送りします。磨き残しゼロを目指す男、まさかの失態私は磨き残しという言葉を聞くと背筋が凍る男である。私は自他ともに認める歯ブラシマニ...
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輔行訣心臓病の「心」と「心包」の各病機

先に示したとおり、范志良版『輔行訣』の心臓病ではちょっとおかしいなと思えることがる。 それはなにか。同じ方剤名でことなる配薬が登場するのだ。 配薬、適応症状から類推すると『輔行訣』 は、心臓に関わる病を「心」と「心包」とに明確に区別して治療...
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AIと共に『輔行訣』の森を歩む

古典医学の探究は、深く、広大な森を歩むのに似ている。一つのテーマを掘り下げれば、また新たな道が拓けていくのである。現在、私は范志良版『輔行訣』における「肝病」に関する考察を終え、次のテーマである「心臓病」の執筆へと歩を進めている。この道のり...
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范志良版『輔行訣』心臓病病条文と日本語意訳

本稿では、范志良版『輔行訣』における心臓病証に関する条文を引用し、その現代日本語訳を提示する。辨心臓病証文并方心虚则悲不已,实则笑不休。心病者,心胸内痛,胁下支满,膺背肩胛间痛,两臂内痛,虚则胸腹胁下与腰相引而痛。取其经手少阴、太阳及舌下血...
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范志良版『輔行訣』肝虚証の経方医学的考察

以前アップした肝病について、肝虚編である。元の条文を挙げる。小補肝湯治心中恐疑,时多恶梦,气上冲心,越汗出,头目眩晕者方。桂枝 干姜 五味子各三两大棗十二枚,去核(一方作薯蓣,当从)右四味,以水八升,煮取三升,温服一升,日三服。心中悸者,加...
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『輔行訣』を経方医学で読み解く方針

『輔行訣』には、これまで紹介したように少なくとも21ものバージョンが存在する。そして、そのすべてのバージョンの正確性や信頼性は等しいわけではない。したがって、これらを平等に扱うことはできない。単純な多数決で「正しい」内容を導き出すことが困難...
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漢方医とAI、二つの知性が拓く古典解釈の新境地

このブログでも度々取り上げている『輔行訣』は、中国医学史上非常に重要な文献だが、その解釈は多岐にわたる。そこで私は、Deep Researchを使って学術論文を網羅的に調査し、さらにGeminiに協力を仰ぎ、現代の研究動向やさまざまな解釈に...
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輔行訣各バージョン覚え書きその15

前回に引き続き、21個目の輔行訣のバージョンの日本語意訳を覚え書きとしてここに記す。時期が定かではないその他的な版である。時期が定かなバージョンと合わせて21個ある。つまりこれが最後である。『輔行訣』周連淼氏 第二次写本 (1988年10月...
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輔行訣各バージョン覚え書きその14

前回に引き続き、20個目の輔行訣のバージョンの日本語意訳を覚え書きとしてここに記す。時期が定かではないその他的な版である。時期が定かなバージョンと合わせて21個ある。二十、《輔行訣》張義霄抄本(1988年10月以前?)この資料は、縦約26....