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漢方医学

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下痢で少陰病薬を使ったことがない

下痢症の漢方薬は最近では啓脾湯や五苓散のエキス剤くらいであまり使っていない。内科外来ではミヤBM細粒やイリボー、コロネルなどを処方することが多い。ロペミンは避ける。あるいは絶食して点滴時にはCVを入れて高カロリー輸液で対応してしまう。勿論そ...
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夏版感冒薬香葛湯ってどうよ

傷寒論が出典の漢方方剤において、風邪薬のメインは悪寒を伴う風邪である。例えば風邪の引き始めに飲む感冒薬で有名な葛根湯も悪寒を伴うことが条件。風邪の引き始めで悪寒を伴わない風邪ってあるのか?それは温病である。最初から悪寒がない、あるいは少ない...
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胃苓湯は何故芍薬を加えるのか

胃苓湯は平胃散と五苓散の合剤に芍薬を加えた配薬である。平胃散は陳皮、甘草、生姜、大棗、厚朴、蒼朮。五苓散は桂皮、茯苓、白朮、猪苓、沢瀉である。蒼朮、白朮がやや共通。散剤であることが共通である。これに芍薬を加えて、湯液にすると胃苓湯になる。適...
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平胃散の厚朴は自由だ

平胃散(へいいさん)は、中国の宋代(960~1279年)に編纂された『太平恵民和剤局方』(たいへいけいみんわざいきょくほう)を出典とする漢方処方である。名前の由来は、定かではないが胃の機能を平らかにする(調える)という意味を持っているのだそ...
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肝の発揚作用を経方医学で解釈

先日のApplePencil活用、具体的なアノテーションでたまたま紹介した「肝の発揚作用」についてなかなか味がある話題まで辿れたのでせっかくだから紹介する。実は「肝の発揚作用」という言い方を聞いたことがなかった。不勉強だ。柴胡6gで昇提作用...
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【漢方医学】エビデンスが成り立ちにくい理由

(リライトです)漢方医学は本来、生薬を自由に組み合わせて、患者の病機や性質に合わせて配薬する。例えば有名な葛根湯を処方したいときは葛根、桂皮、麻黄、芍薬、甘草、大棗、生姜を適切なグラム数で処方していくことになる。再診されたら症状の変化に合わ...
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【漢方】動悸敗北

本日ついに受診されなかった。動悸の方。元々、倦怠感と動悸で受診した方であった。勿論西洋医学的な検査はチェック済である。当初昇陥湯を処方した。倦怠感は消失した。そもそも昇陥湯は動悸症状を伴う倦怠感にも適応があるので余裕かと思った。しかし動悸症...
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副鼻腔炎で懐かしさがこみあげた

ぼかして書く。30歳代の方。副鼻腔炎とそれに伴うのか、花粉症なのかは分からない汚い鼻汁。両頬骨に強い痛みがある。耳鼻科では手術適応はないと言うことで抗菌剤(鎮痛剤の処方をしていたかは不祥)を処方されるも無効。脈は、よほど痛いのであろう、強い...
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山椒が欲しい

山椒が欲しい。いやウナギを食べようとして、山椒がないのに気付いた訳ではない。当帰湯を重点的に見ているうち、処方したくなってきたのだ。当帰湯の構成生薬(私が採用する)は当帰、半夏、桂皮、厚朴、芍薬、人参、黄耆、山椒、甘草、乾姜である。そう。山...
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内科外来で倒れ込むご婦人

70歳代女性。胸が痛い。倦怠感。頭痛。咳がうまくできず、咳するとき胸を手で持ってしないと痛いと言うのが主訴。その娘は時間外休暇をとって連れてきている。ああ、だめ、と言いながらベッドに倒れ込む。演技?というよこしまなワードが頭をかすめた。しか...