去年末長年慣れ親しんだMicrosoft Officeを完全に離れ、Googleの環境へ移行した。日々の執筆やデータ管理はGoogle Driveで完結し、もはやMicrosoftに戻る必要はないと確信していた。
しかし、目前に迫ったスライド作成において、私は一つの大きな壁にぶつかった。パワポでは当たり前のGoogleスライド(およびGoogle図形描画)には「図形の結合」や編集機能がない。経方医学の発表スライドはこれが不可欠なのだ。つまり、独自のイラストで表現したい私にとって、これは致命的な欠点であった。
少しの試行錯誤の末、スライドが皆無の状態からわずか2日間でドラフトを完成させるに至った、「AI・Google・Keynote」の三段構えワークフローをここに覚え書きとして記す。
1. 【構成】AI上の「E先生」との徹底討論
かつての私は、発表の一ヶ月前にはドラフトを完成させ、毎日更新しながら仕上げるスタイルを常としていた。しかし今回は、その「正攻法」をあえて取らなかった。
いやそれは嘘だ。Gemini上に再現した疑似師匠・E先生との議論があまりに刺激的で、そちらに没頭してしまった。ああでもないこうでもないと語り合うのが好きなのだ。それが災いしてしまった。よって内容の深化とストーリー構成をして、Googleスライド版でドラフト以前のバージョンが生成された。
2. 【中継】PowerPointを「ハブ」として活用する
ドラフト以前バージョン(Googleスライド)を実制作に移す際、直接Keynoteへ取り込めない。だから一度PowerPoint形式(.pptx)を経由させる。
Microsoftとの契約は終了したが、インポート用の「中継地点」として活用することで、GoogleとAppleの間にある溝を埋めることができた。
3. 【仕上げ】Keynoteによるビジュアルの解放
最終工程を担うのは、AppleのKeynoteである。Googleスライドでは手が届かなかった「図形の結合(合体・型抜き・交差)、編集」という強力な武器をここで解放する。ここでGoogleスライドの弱点を、Keynoteの描画機能で補完する。再びGeminiのNanoBananaProの強力なイラスト機能とKeynote図形編集を組み合わせることで、スライド原稿を「Ver.001」を作成できた。現時点でなんとか発表出来るレベルではある。作成期間は2日間であった。
4. 展望:ここからが真の吟味
ドラフトが完成した今、ここからが本番である。これから毎日スライドを手に取り、一文字一図解に至るまで内容を吟味していく。このペースであれば、月末のスライド原稿締め切りには、余裕を持って間に合わせることができる。かつて行っていた「一ヶ月前からの積み上げ」は、期間が半分になったといってもいい。
結論:ツールの強みを抽出する
振り返れば、回り道だったのかもしれない。しかし、AIとの議論で内容を極限まで研ぎ澄ませ、Googleの機動力とKeynoteの表現力を適材適所で組み合わせた結果、短期間で納得のいくドラフトが完成した。
「どのツールに縛られるか」ではなく、「どの工程で、どのツールの強みを引き出すか」。これが、Microsoftを卒業した私が行き着いた、2026年現在の最適解である。
まあ、欲を言えばGoogleスライドで完結できたらいいんだけどな。


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