- 整理整頓は目的ではない
当初、私はGoogle DriveをObsidianのように美しく構造化しようと模索していた。しかし、それは手段の目的化に過ぎないと気づいた。
私が本当に欲していたのは、整然と並んだ美しいノートの羅列ではない。「一定のレベルに達した原稿(プロダクト)」を、より多く、より速く世に送り出すシステムである。
綺麗に整理された図書館を作るのではなく、乱雑でも構わないから、確実に成果物を生産できる「工場」をGoogle Drive上に構築する。それが今回の試みの本質だ。
- 思考の捕獲:Google Keepと手紙メモ
原稿の種となるアイデアは、いつだって不意に現れては消える。
これらを逃さないためのFleeting Notes(走り書きメモ)として、私は「Google Keep」と「手紙メモ」を採用することにした。
ここはあくまで「一時置き場」である。整理など考えず、まずは思考を捕獲することだけに集中する。これらがGoogle Driveという工場へ運び込まれる原材料となるのだ。
- Google Driveへの定着と「選別」
Keepや手紙メモに溜まった情報は、その日のうちに見返し、価値あるものだけをGoogleドキュメントへ書き写す。これがPermanent Notes(永久保存メモ)に生成する。
ここでも「綺麗にまとめる」ことは意識しない。意識するのは「将来の原稿のパーツになるか」という一点のみだ。
- 実践:Google Drive機能のハック
Google Driveにはバックリンク機能がない。だが、原稿を書くための参照さえできれば、高度なグラフビューなど不要だ。私は以下の簡素なルールを定めた。
- ブックマークによる結合:
ドキュメント内のキーワード(例えば「小腸」)にブックマークを設定し、手動でリンクを張る。自動ではないからこそ、リンクを張る瞬間に「この知識はどこに繋がるか」という思考が強制され、記憶の定着に寄与する。 - 実用一点張りの命名規則:
ファイル名は[Zettel](自分の考え。これが永久保存メモに当たる)、[lib](引用元)。[Proj](プロダクト)さらにファイル下にはTarget:(未来に引用されるかもしれないキーワード)を付与する。これは整理のためではない。執筆時に検索窓から瞬時に呼び出すためのタグ付けだ。 - 引用はスクショで済ませる:
文献の転記に時間を割くのは無駄だ。該当箇所をスクリーンショットで撮り、そのままドキュメントに貼り付ける。OCRが効くため検索には引っかかる。見た目の美しさより、入力の速度を最優先する。
実際のObsidianファイルから取り込まれたファイルを提示する。
まずはObisidan。

次はGoogleドキュメント。

3日目の手応え
Obsidianから黄疸に関する記述で18個のファイルを移行した。驚くべきことに、Obsidianで複雑なグラフを眺めていた時よりも、Google Drive上で無骨なドキュメントを行き来している今のほうが、「書く」という行為に直結している感覚がある。
整理することを諦め、生産することに特化したGoogle Drive版Zettelkasten。まだ試行錯誤の3日目だが、ここからどれだけの原稿が生み出せるか、さらに試みを続けていく。


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