ただ懐かしさが湧いた、という話。
もう何年離れていた武術の陰がふと、目前に浮かんだということ。
杖道型稽古である。
太刀、杖が一組だ。
以前から太刀は―刀流系だなと思う。
とは言っても一刀流系統は習ったことが無い。だから一刀流は朧げに足の運びくらいでしか判断でしない。
一方で杖。
これは新陰流系なのではないか。
以前新陰流系統の古武術に熱中していたことがある。
だからその筋はほんの少し系統を理解出来る。
ところどころ鐘木が残る。
それだけではない。
杖を振り下ろすところがとても新陰流系だ。
肘の縦方向の動きを素直に受け入れている。
故に体を一重つまり、横、やや横に相手に対して向けることになる。
これがかつて私の修行させて頂いていた系統に類似しているのだ。
ただ足の運びは真逆だ。
足尖を挙げないのが杖道。
私の系統は足尖を挙げる。
未だに癖が抜けきらず指摘されることがある。
足尖を挙げる法が動けるのに、と思いつつ、もう私は武術を辞めたのだと、杖道の足の運びに従っている。
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