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漢方医学

引落打の杖の軌跡に思う

先日の、杖道を居合術のような気持ちで見直す話の続きである。数ある構えの中で、引落打の構えほど、対太刀戦で絶望的な構えはない。本手の構えや逆手の構えはまだ、太刀が守備範囲に入らないようにしている。しかしこの引落の構えは、切ってくれと言わんばか...
杖道

杖道の型に見る絶望

武道や武術の目的とは何だろうか。私は、相手に気配を漏らさず「見えない攻撃」を繰り出し、防御しても防ぎきれない攻撃を可能にすることだと考える。少なくとも、それが私の目指すところである。これが実戦的かどうかは、ここでは問題としない。まず、例とし...
杖道

初心者指導に乗じて相対を学ぼう

私は杖道稽古の「遅刻魔」だ。いや、「魔」などという生易しいものではない。「王」と呼ぶべきである。どれほど王かというと、遅刻率100%だ。皆勤賞ならぬ「皆遅刻賞」である。もちろん、私とて社会人だ。一部の先生には「日曜午前勤務」という、やむにや...
漢方医学

少しまた痛くなったけど

先日紹介した、左坐骨神経痛(たぶん)の患者が、2日後に再び受診した。「施術後、ぐっすり眠れてよかった」 とのこと。しかし、 「翌日、24時間経った後、少しまた痛くなった」 そうである。「だが、ちゃんと休めるから嬉しい」 とも話していた。再び...
雑記

【杖道】指導者一年生

以前、私は初心者の指導をお断りした、と言う内容の原稿を紹介した。以前の投稿から一週間。今度は自ら先生に「私に初心者の指導をさせて下さい」と申し出た。すると先生はニコニコして許可してくれた。私が「誤った指導内容をしたらどうしようか」と悩んでい...
杖道

太刀の振る音を道しるべに

杖道には、少々不思議な思想がある。「杖」道と名が付いているにもかかわらず、相手にするのは「太刀」である。そして、その関係性も興味深い。型の上では、太刀は杖の者より上位、つまり力量が上という設定だ。上位の太刀が、下位の杖修行者の力量を引き出し...
漢方医学

眠れぬ痛みに耐えかねた左坐骨神経痛

不眠、倦怠感で患者が受診した。下肢が痛むため、当院、そして他院の整形外科も受診していた。 下肢が痛むので臥位(仰向け状態のこと)になれず、座って寝ていたという。その結果、不眠と倦怠感が出現。さらに、ずっと座って寝ているため尻が痛くなり、訳が...
漢方医学

昇陥湯を導入した膀胱刺激症状、倦怠感の症例その後

先週紹介した、倦怠感と膀胱刺激症状を呈する患者さんである。  以前報告したとおり、西洋医学的に泌尿器科と連携して治療を進めていたが、症状は小康状態を保つも著効とは言えなかった。そのような中、その症状が大まかに昇陥湯の証であることに気づいた。...
漢方医学

范志良版輔行訣心臓病の心包実証解説

以下は范志良版輔行訣の心、心包臓病の心包における病機条文と配薬、そして経方医学的な方意解説である。心包の病機・心包実証の条文と配薬(原文)心胞气实者,受外邪之动也。则胸胁支满,心中澹澹然大动,面赤目黄,喜笑不休,或吐衄血。虚则血气少,善悲,...
杖道

【杖道】私が指導を躊躇して学んだこと

杖道四段の私が、ある日、六段の先生から新人に指導するよう言われたときの話だ。その依頼は、稽古の途中で急に訪れた。型を打ち込んでいる最中、指導にあたっていた六段の先生が、ふと私の方に視線を向け、静かに、しかし皆に聞こえる声で「〇〇(私の名前)...