先日、日本刺絡学会学術大会で刺絡について30分程度お話させて頂いた。
そこで、井穴選穴の判断材料として症状の性質が交感神経亢進、副交感神経亢進か否かで判断する方針を紹介した。その理論的背景(『21世紀の医学: 井穴刺絡学・頭部刺絡学論文集 近代文藝社 浅見 鉄男 (著)』)や引用ページも紹介した。
但し東洋医学の用語や治療方針とはそぐわないのは明らかなはずだった。しかし会場の比較的肯定的な反応に胸をなで下ろしていた。
しかしそれでも、学会後直接的、間接的にこの方針はおかしいのではないかと言う先生が複数いらした。
よくぞ聞いてくれました。
これだから学会に参加するのが楽しいのだ。
そこで、直接疑問を呈して頂いた先生にお話した内容をここに書いておく。
実際にある症状が起きているとき、人体で交感神経亢進、副交感神経亢進が起きているかは、実は分からないし私も存じ上げない。
さらにそれに関わる井穴刺絡することでそれぞれの自律神経がコントロールできているかは、これも分からない。
しかしそれでも効くのだ。それが大切だ。
だから、交感神経亢進、副交感神経亢進どちらかに、症状を当てはめる。
そこで刺絡をすると、効くのだ。
それ故仮にそうだとして、当てはめているだけ。
つまり交感神経亢進、副交感神経亢進は象徴ということ、と解答した。
するとその先生は自律神経を測定するための方法を紹介頂いた。
いやあ、学会ってこういう会話ができるから嬉しい。
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