先日、レケンビという認知症治療薬の説明会の記録動画を視聴した。
一般的にこういった説明会ではパワポスライドを閲覧しつつ薬屋さんや偉い先生のご解説がされる。パワポを印刷した資料が配られることもある。今回はなかった。で、ざっくり言うと薬屋さんのコンテンツはだいたい以下の通りに並ぶ。
薬品名
↓
何に効くか
↓
どの位有効か
↓
投与するための条件
↓
投与方法
↓
副作用
これらをパワポをそのまま印刷したプリントをもらい、それに気付いたことを書き込んだりする。せっかくの資料だから後に参考にするためファイリングしたくなる。今風ならばPDF化してそれを例えばEvernoteなどに検索可能（本文検索を含め）な状態として保存することになる。
例えば半年経過したとして、認知症について知りたいとする。確かにEvernoteでOCR機能があるのでその文字はこのファイルを含んでヒットされるだろう。えーっとと言いながら全体のパワポ資料を眺めて、それに関する情報を一つ一つ抜き出すことになる。いちいち読む。該当箇所とその前後を探す。このファイルだけではない。別のファイルもヒットするだろうからそれも見る。で、あれ？何をまとめるべきだっけ？知りたいことって何だっけ？面倒だからググろう、となるだろう。データが死蔵扱いされた瞬間だ。
今回従来と異なるのはScrapboxを横に視聴したことだ。
細かく言うと、一時停止しながらGyazoったり、メモしたりした。
結果でかい一枚のカードになった。全部見ようとすると下方向に幾度もスクロールすることになる。一覧性がないし二度と観たくない気持ちになった。だからワンテーマごとにGyazoった図を付けて分けていった。[]を意識的につけながらいわゆるアトミックノートに書き換えた。すると、26のカードになった。
例えば半年経過して仮にレケンビという薬を忘れ、認知症をについて知りたいとする。まあ、現状全体で193しかカードがないので、トップに「レケンビ」が来た（いつも使うアリセプトなんかはエントリされていない）。
ならば、とレケンビを開く。
すると、7つLinkと1つの2Hop Linksが出てくる。なんと26全て出てこない。他は必要な情報なのに検索から外れたと言うわけではない。レケンビを知るにはまずその程度で良いと言うことなのだ。「3」Hop Links以降は後回しということになる。
図を見渡すと処方前の診断や副作用、関連項目であるCDRなどが見て取れる。2Hop Linksではレケンビ投与前提であるアミロイドβの検出方法の比較まである。
夫々の項目を観るとその内容を中心に知識の広がりが見える。例えばこの中からCDRって何だろう。というように私がこれについての情報に半年も触れてなかったらすっかり抜け落ちているだろう。
早速CDR-SBをクリックすると、それを中心とする知識の広がりがある。実はこれは認知症の前段階を評価をする指標だ。今時点で私は認知症の基準が長谷川式認知症スケールしか使っていなかったのでこんな寂しい感じになる。そして下を見るとレケンビ関連が5つのの2Hop Linksとして現れている。
つまり、1つテーマCDR（-SB)からきっちりと関連した知識の広がりを観ることが出来るのだ。
元々レケンビという商品説明の中でCDRの情報を得た。CDRは単に投与前提となる認知症の尺度として提示されていた。情報をアトミックノートとしてほぐしてScrapboxへ保存しておく。するCDRをメインにすると、治療薬の例としてのレケンビになる。つまり主体客体、あるいはその附体（造語です）が円滑に入れ替わるのだ。
そんなの簡単だ！というかもしれない。確かに頭の中では組み立てはすごく簡単だ。実際講演を受けたばかりの今の私には簡単だ。しかしこの情報に触れずに半年が経過した後、同じ事がいえるだろうか。例えばCDRってなんだろうとScrapboxで検索したとき、この状態でカードが展開したらどんなに素晴らしいであろう。
どちらが認知消費リソースの節約ができるか明らかだ。
また、データが蓄積したら検索結果が出まくるから困るという発想がある。確かに、レケンビについてEvernoteにパワポ資料あるいはネットで文献を集めるだけであればその通りである。要は一旦アトミックノートで分けて保存することが肝要である。すると当然重複するデータは該当カードがアップデート、あるいは既知なのでエントリされないことになる。結果より洗練された私自身の発想で作られた学びの蓄積がなされる。
言い尽くされた言葉で申し訳ない。必要に応じてScrapboxを開き、検索することで関連したストーリーを語ることができるのだ。
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