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心臓病

漢方医学

『輔行訣』心と心包の相違

古典医学書『輔行訣』において、「心」と「心包」の病態は明確に区別されている。これらは単に解剖学的な違いではなく、病の発生源、性質、そして治療法という観点から、その本質が異なっているのである。1. 「心」の疾患の焦点:機能の詰まりとエネルギー...
漢方医学

補心(包)方は必ずしも補剤にあらず

1. 序論:動悸・不安の根源は「心包の虚」と「胃気の乱れ」にあり現代の臨床において、自律神経失調症や不安神経症に起因する動悸(怔忡)、虚煩(胸中のざわつき)、善悲(不安感)といった心神の動揺は、極めて頻繁に見られる病態である。これらは単なる...
雑記

『范志良版輔行訣』心臓病の小瀉心湯と大瀉心湯を解説:峻烈なる吐法による排邪

輔行訣の心臓病についての解説をする。ここには心臓を中心とした激しい病態、すなわち「熱実」の治療に特化した峻烈な処方が記載されている。本稿では、その中でも熱実の激痛を治療する「小瀉心湯」と「大瀉心湯」の条文、そして上部に結滞した邪を速やかに除...
漢方医学

輔行訣心臓病の「心」と「心包」の各病機

先に示したとおり、范志良版『輔行訣』の心臓病ではちょっとおかしいなと思えることがる。 それはなにか。同じ方剤名でことなる配薬が登場するのだ。 配薬、適応症状から類推すると『輔行訣』 は、心臓に関わる病を「心」と「心包」とに明確に区別して治療...
漢方医学

范志良版『輔行訣』心臓病病条文と日本語意訳

本稿では、范志良版『輔行訣』における心臓病証に関する条文を引用し、その現代日本語訳を提示する。辨心臓病証文并方心虚则悲不已,实则笑不休。心病者,心胸内痛,胁下支满,膺背肩胛间痛,两臂内痛,虚则胸腹胁下与腰相引而痛。取其经手少阴、太阳及舌下血...