毎日午前7時にブログ更新

輔行訣

漢方医学

范志良版輔行訣心臓病の心包実証解説

以下は范志良版輔行訣の心、心包臓病の心包における病機条文と配薬、そして経方医学的な方意解説である。心包の病機・心包実証の条文と配薬(原文)心胞气实者,受外邪之动也。则胸胁支满,心中澹澹然大动,面赤目黄,喜笑不休,或吐衄血。虚则血气少,善悲,...
雑記

『范志良版輔行訣』心臓病の小瀉心湯と大瀉心湯を解説:峻烈なる吐法による排邪

輔行訣の心臓病についての解説をする。ここには心臓を中心とした激しい病態、すなわち「熱実」の治療に特化した峻烈な処方が記載されている。本稿では、その中でも熱実の激痛を治療する「小瀉心湯」と「大瀉心湯」の条文、そして上部に結滞した邪を速やかに除...
漢方医学

輔行訣心臓病の「心」と「心包」の各病機

先に示したとおり、范志良版『輔行訣』の心臓病ではちょっとおかしいなと思えることがる。 それはなにか。同じ方剤名でことなる配薬が登場するのだ。 配薬、適応症状から類推すると『輔行訣』 は、心臓に関わる病を「心」と「心包」とに明確に区別して治療...
情報管理

AIと共に『輔行訣』の森を歩む

古典医学の探究は、深く、広大な森を歩むのに似ている。一つのテーマを掘り下げれば、また新たな道が拓けていくのである。現在、私は范志良版『輔行訣』における「肝病」に関する考察を終え、次のテーマである「心臓病」の執筆へと歩を進めている。この道のり...
漢方医学

范志良版『輔行訣』心臓病病条文と日本語意訳

本稿では、范志良版『輔行訣』における心臓病証に関する条文を引用し、その現代日本語訳を提示する。辨心臓病証文并方心虚则悲不已,实则笑不休。心病者,心胸内痛,胁下支满,膺背肩胛间痛,两臂内痛,虚则胸腹胁下与腰相引而痛。取其经手少阴、太阳及舌下血...
雑記

范志良版『輔行訣』における肝実の経方医学的考察

范志良版『輔行訣』に記載されている肝病の中の肝実の条文について解説する。条文は前回記述しているので参考にして欲しい。今回肝実の病態とその治療原則を考察する上で経方医学の観点から重要な手がかりを提供したい。共通するのは、どちらも「瀉す」という...
漢方医学

『輔行訣』を経方医学で読み解く方針

『輔行訣』には、これまで紹介したように少なくとも21ものバージョンが存在する。そして、そのすべてのバージョンの正確性や信頼性は等しいわけではない。したがって、これらを平等に扱うことはできない。単純な多数決で「正しい」内容を導き出すことが困難...
漢方医学

漢方医とAI、二つの知性が拓く古典解釈の新境地

このブログでも度々取り上げている『輔行訣』は、中国医学史上非常に重要な文献だが、その解釈は多岐にわたる。そこで私は、Deep Researchを使って学術論文を網羅的に調査し、さらにGeminiに協力を仰ぎ、現代の研究動向やさまざまな解釈に...
漢方医学

輔行訣各バージョン覚え書きその15

前回に引き続き、21個目の輔行訣のバージョンの日本語意訳を覚え書きとしてここに記す。時期が定かではないその他的な版である。時期が定かなバージョンと合わせて21個ある。つまりこれが最後である。『輔行訣』周連淼氏 第二次写本 (1988年10月...
漢方医学

輔行訣各バージョン覚え書きその14

前回に引き続き、20個目の輔行訣のバージョンの日本語意訳を覚え書きとしてここに記す。時期が定かではないその他的な版である。時期が定かなバージョンと合わせて21個ある。二十、《輔行訣》張義霄抄本(1988年10月以前?)この資料は、縦約26....