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漢方医学

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胃苓湯は何故芍薬を加えるのか

胃苓湯は平胃散と五苓散の合剤に芍薬を加えた配薬である。平胃散は陳皮、甘草、生姜、大棗、厚朴、蒼朮。五苓散は桂皮、茯苓、白朮、猪苓、沢瀉である。蒼朮、白朮がやや共通。散剤であることが共通である。これに芍薬を加えて、湯液にすると胃苓湯になる。適...
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肝の発揚作用を経方医学で解釈

先日のApplePencil活用、具体的なアノテーションでたまたま紹介した「肝の発揚作用」についてなかなか味がある話題まで辿れたのでせっかくだから紹介する。実は「肝の発揚作用」という言い方を聞いたことがなかった。不勉強だ。柴胡6gで昇提作用...
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【漢方医学】エビデンスが成り立ちにくい理由

(リライトです)漢方医学は本来、生薬を自由に組み合わせて、患者の病機や性質に合わせて配薬する。例えば有名な葛根湯を処方したいときは葛根、桂皮、麻黄、芍薬、甘草、大棗、生姜を適切なグラム数で処方していくことになる。再診されたら症状の変化に合わ...
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【漢方】動悸敗北

本日ついに受診されなかった。動悸の方。元々、倦怠感と動悸で受診した方であった。勿論西洋医学的な検査はチェック済である。当初昇陥湯を処方した。倦怠感は消失した。そもそも昇陥湯は動悸症状を伴う倦怠感にも適応があるので余裕かと思った。しかし動悸症...
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副鼻腔炎で懐かしさがこみあげた

ぼかして書く。30歳代の方。副鼻腔炎とそれに伴うのか、花粉症なのかは分からない汚い鼻汁。両頬骨に強い痛みがある。耳鼻科では手術適応はないと言うことで抗菌剤(鎮痛剤の処方をしていたかは不祥)を処方されるも無効。脈は、よほど痛いのであろう、強い...
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内科外来で倒れ込むご婦人

70歳代女性。胸が痛い。倦怠感。頭痛。咳がうまくできず、咳するとき胸を手で持ってしないと痛いと言うのが主訴。その娘は時間外休暇をとって連れてきている。ああ、だめ、と言いながらベッドに倒れ込む。演技?というよこしまなワードが頭をかすめた。しか...
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日中の頻尿の解釈にピットフォール

頻尿は外来において日常的な症状と言える。特に男性は年齢を重ねると前立腺も肥大してきて、排尿回数も増加する。現代医学では感染性尿路感染に関しては抗菌剤を用いることが多い。当たり前すぎる話だ。そしてもし感染性がない場合過活動膀胱の括りで西洋医学...
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血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)の実践

血府逐瘀湯という方剤がある。王清任の医林改錯の創薬である。とても使いやすい方剤である。経方医学として解釈しやすい。解釈し易く使いやすい故いつの間にか自分の処方に溶け込んでしまい、意識せずにいた。血府逐瘀湯と意識しながら処方した記憶は東北に戻...
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さしあたっての竹筎を理解

師匠が臨床的に非常に参考にしていた老中医の一人に張錫純がいる。医学哀中参西録にその理論と治験が注ぎ込まれている。近年和訳の出版が複数あり大変読みやすくなった。あらためて見ると経方医学と合い通じる部分があり、私も大変参考にさせていただいている...
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竹筎は弱点

竹筎がイマイチわからない。いや、わかったつもりだった。そもそも経方医学の処方なのにわからない。経方薬論でもなぜか竹筎は記述がない。竹筎といえば竹筎温胆湯である。これは万病回春が出典で使い方は味わい深いのだけど、肝心の竹筎が良くわからない。長...